359 名前：病弱名無しさん[sage] 投稿日：2009/05/21(木) 12:32:11 ID:Nmr+vcWV
うちの爺さん煙草と酒が好きで近衛兵を除隊してすぐ満州行った時にも
あっちの癖の強い酒を平気で飲んでいたらしい
終戦後、消防団の出初め式に出されたバクダン（合成酒）を
同僚が少ししか飲まない所を爺さんだけがぶ飲みした
その夜、爺さんの頭に激痛が走った
あまりの痛さに婆さんに
｢金づちで頭を思いっきり引っぱたいてくれ｣
と頼むほど酷い症状だった
頭の痛みは2.3日で収まったらしいが今度は胃腸を悪くして腹の痛みと血便が止まらない
名前は忘れたが今では聞かないような胃腸の薬を飲んでもすぐに効果が切れてしまい
仕事行く途中の畑から大根引っこ抜いて
そのまま生で喰って痛みを紛らわしていたらしい（しばらくしてから婆さんが金を払って弁償したらしい）
しかし一向に体調が良くならないんで原因でもある酒を止めてみたが痛みは治まらなかった
婆さんが病院に行くことを勧めるも爺さんは拒否
ならばと煙草を止める事を勧めたが煙草の方は完全に中毒でこれも全く辞める気が無かった
しばらくそのままの状態が続いたがある日仕事に行くと爺さんの同僚が
｢○○（爺さん）、俺煙草辞めたよ｣
と言ってきた
爺さんはそのときは受け流したがカンに障ったようでその日から一念発起して禁煙を始めた
しかしその同僚が辞めたから禁煙を始めたと思われるのは癪なので
誰にも禁煙を始めた事は言わず刻み煙草を吸う為の胴乱は携帯していた
爺さんの禁煙に婆さんが気がついたのは爺さんの体調が良くなり胃腸の薬を辞めてから、
禁煙から半年たってからだった
婆さんは食後の一服をしないのには気がついていたが
胴乱はいつも持ち歩いていたので目の前は吸わなくとも外では吸っていると思っていたらしい
同僚は禁煙に失敗したのか再び煙草を吸い始めていたが
爺さんは禁煙を続け、同僚に隠すために吸いもしない胴乱をバレるまで2年近く持ち歩いていた
この話を聞いた日から俺も禁煙開始して一週間
煙草もライターも灰皿も全部捨てて挑んでる
喫煙期間が俺より長く紙煙草以上にキツい刻み煙草吸ってた
爺さんに比べればこんなんで辛いなんて言ってられない
吸いたくなったら爺さんのプライドにあやかろうと位牌を拝んで何とか耐えてる
360 名前：病弱名無しさん[sage] 投稿日：2009/05/21(木) 12:40:54 ID:Nmr+vcWV
爺さんのプライドは買うがこの話には裏があった
きっかけとなった同僚は実は禁煙なんてしてなかった
爺さんを心配した婆さんは爺さんがプライドの高い事を念頭に置いて
同僚が煙草を辞めれば爺さんも辞めてくれる思い同僚に頼んで辞めた事にしてもらったのだ
同僚は家では普通に吸ってたし会社でも爺さんに隠れもらい煙草で吸っていたらしい
婆さん曰わく
｢身内が言っても聞かないんだから他所様になんとかしてもらうしかないでしょ｣
との事
ただ胴乱は持って行っていたから初めは策が失敗したと思っていたらしい
つまり爺さんは婆さんにいいように踊らされていたわけだ
禁煙後も爺さんにこの事を喋るとまた吸い始めるかもしれないから
最近まで誰にも言わなかったらしい
婆さんには恐れ入ったと同時に婆さんの話で禁煙を始めた
俺も踊らされているのかもしれないという疑念が払拭出来ないで居る…
